SBS改質アスファルト防水シート(SBS Modified Bitumen Waterproofing Membrane / SBS改性沥青防水卷材)は、ストレートアスファルトにSBS(スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体熱可塑性エラストマー)を高濃度にブレンドしてゴム弾性・耐久性を飛躍的に高めた改質アスファルト化合物を、ポリエステル長繊維不織布などの高強度基材に含浸・被覆させた高性能防水シートです。
日本産業規格(JIS A 6013「改質アスファルトルーフィングシート」)に適合し、建築RC造屋上、地下防水、木造・鉄骨屋根下葺き材、橋面防水、土木構造物のコンクリート防水などで広く採用されています。
| 項目 | 試験規格 | 単位 | 一般的な物性値(3.0mm〜4.0mm厚) |
| 厚さ | JIS A 6013 / ISO 9863 | mm | 2.5 / 3.0 / 4.0 / 4.5 |
| 補強基材 | — | — | 高強力長繊維ポリエステル(PET)不織布(180〜250 g/m²) |
| 引張強さ(縦方向 MD) | JIS A 6013 | N/cm(or N/50mm) | ≧ 100 N/cm(≧ 500 ~800 N/50mm) |
| 引張強さ(横方向 CD) | JIS A 6013 | N/cm (or N/50mm) | ≧ 80 N/cm(≧ 400 ~700 N/50mm) |
| 最大荷重時伸び率 | JIS A 6013 | % | ≧ 30% ~50% |
| 耐折り曲げ性(低温たわみ性) | JIS A 6013 | °C | -15°C~ -20°C でひび割れなし(II類適合) |
| 耐熱性(垂れ下がり) | JIS A 6013 | mm | 90°C~ 100°C で垂れ・発泡なし |
| 接合部引張せん断強さ | JIS A 6013 | N/cm | ≧ 50 N/cm(または母材破断) |
| 耐水性(不透水性) | JIS A 6013 | MPa | 0.2 MPa * 30min漏水なし |
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天然・石油アスファルトは「低温で脆く割れやすい(感温性が高い)」という弱点がありますが、ゴム成分であるSBSブロック共重合体を分散させることで、三次元的な網目架橋構造(高分子ネットワーク)が形成されます。
卓越した低温柔軟性(耐寒性): 通常のアスファルトが0℃前後で脆化するのに対し、SBS改質アスファルトは−15℃〜−25℃の極低温環境でも柔軟性を維持し、ひび割れ(脆性破壊)を起こしません。寒冷地や冬季施工での信頼性が極めて高いのが特徴です。
優れたゴム弾性と下地変形追従性(耐疲労性): 高い破断伸び率(30%〜50%以上)と復元弾性を持ち、コンクリート下地のクラック発生、地震動、温度伸縮に伴う挙動に対して破断せずに追従します。
自己治癒性(セルフシーリング性): 微細な釘穴や小傷に対して、アスファルトの粘弾性と復元力により隙間を自ら塞ごうとする特性があり、留め付けビス周辺からの漏水リスクを低減します。
耐高温・耐流動性: 夏季の直射日光による屋上表面温度上昇(70℃〜90℃)に対しても、軟化・垂れ下がりを起こしにくい耐熱温度特性を備えています。
| 表面仕上げタイプ | 構造・特徴 | 主な用途 |
| 砂付き(ミネラル顆粒 / ガルバリウム砂) | シート上面に微細な鉱物粒(砂・セラミック粒)を圧着。紫外線・オゾン・外力保護。 | 露出防水仕様(屋上・屋根の仕上げ層) |
| PEフィルム / 珪砂仕上げ | 上下面を薄膜ポリエチレンフィルムまたは細砂でコーティング。 | 非露出(押えコンクリート下、地下外壁、複層下層) |
| アルミ箔 / 金属箔仕上げ | 表面に高反射アルミシートをラミネート。高い日射反射(遮熱)と耐候性。 | 露出屋根、メンテナンス歩行頻度の低い陸屋根 |
| 自着層(剥離紙付き) | シート裏面に常温感圧粘着層を塗工し、裏紙を剥がすだけで密着。 | 火気厳禁エリア、木造屋根、住宅密集地 |
日本国内におけるSBS改質アスファルトシートの施工は、現場環境や下地条件に応じて以下の工法から選定されます。
① トーチ工法(熱融着工法)
概要 : シート裏面の改質アスファルト層をプロパンガスバーナー(トーチ)で炙って溶融させ、下地およびシート相互の重ね幅(100mm以上)を完全に熱融着一体化させる工法。
特長 : アスファルト釜での加熱溶解(熱工法)が不要で煙や悪臭が極小。水密性と接合強度が極めて強固。
② 常温粘着工法(自着工法)
概要: 裏面の剥離フィルムを剥がしながら、ローラー転圧で下地に圧着貼り付けする工法。
特長: 火気・熱を一切使用しない(完全ノー火気)ため、既存改修工事、可燃下地(木造・断熱材直上)、病院・学校・住宅密集地でも安全に施工可能。
③ コンビネーション工法(複合工法)
下層に自着シート + 上層(キャップシート)にトーチ溶融シートを組み合わせる2層(複層)防水。熱や炎が下地に伝わるリスクをゼロにしつつ、最表層はトーチ融着で頑強な水密層を形成。