APP改質アスファルト防水シート(APP Modified Bitumen Waterproofing Membrane / APP改性沥青防水卷材)は、ストレートアスファルトにAPP(アタクチックポリプロピレン / 無定形ポリプロピレン)などの熱可塑性プラスチック樹脂をブレンドし、ポリエステル長繊維不織布(PET)やガラス繊維(ファイバーグラス)基材に含浸・被覆させた耐熱・耐候型のアスファルト防水ルーフィングです。
SBS改質が「ゴム弾性・耐寒性」に特化しているのに対し、APP改質はプラスチック特有の「超高耐熱性」「耐紫外線(UV)性」「高軟化点」を最大の強みとし、夏季の猛暑・直射日光に晒される露出屋根や、中東・東南アジアなどの高温多湿地域、日本国内の温暖地・高熱負荷構造物で広く使用されています。
| 項目 | 試験規格 | 単位 | 一般的な物性値(3.0mm〜4.5mm厚) |
| 厚さ | JIS A 6013 / ISO 9863 | mm} | 3.0 / 4.0 / 4.5 |
| 補強基材 | — | — | 高強力長繊維ポリエステル(PET)不織布(180〜250 g/m²) |
| 引張強さ(縦方向 MD) | JIS A 6013 / ASTM D5147 | N/50mm | ≧ 600 ~900 |
| 引張強さ(横方向 CD) | JIS A 6013 / ASTM D5147 | N/50mm} | ≧ 500 ~800 |
| 破断伸び率(縦/横) | JIS A 6013 / ASTM D5147 | % | ≧ 30%~ 45% |
| 耐熱性(垂れ下がり) | JIS A 6013 / ASTM D5147 | °C | 120°C~ 130°C で垂れ・滑りなし(2時間) |
| 耐折り曲げ性(低温たわみ性) | JIS A 6013 / ASTM D5147 | °C | 0°C~ -5°C でひび割れなし |
| 軟化点(環球法) | JIS K 2207 / ASTM D36 | °C | ≧ 130°C~150°C |
| 耐水性(不透水性) | JIS A 6013 | MPa | 0.2 MPa times 30min 漏水なし |
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072-242-3708
APP(アタクチックポリプロピレン)は、ポリプロピレン製造時の副産物または専用重合体として得られる分子構造が不規則な非晶質ポリマーです。アスファルトと相溶性が極めて高く、混練することでアスファルト分子を強固に包み込みます。
卓越した耐高温性(高軟化点): 通常のアスファルトの軟化点が約40〜50℃、SBS改質が約100〜110℃であるのに対し、APP改質アスファルトは軟化点が130℃〜150℃以上に達します。真夏の直射日光で屋上表面温度が80℃を超えても、アスファルトが軟化・流動・垂れ下がりを起こしません。
優れた耐紫外線(UV)劣化性・耐オゾン性: ポリプロピレン骨格は分子構造的に二重結合を持たない飽和炭化水素であるため、紫外線や酸素・オゾンによる光酸化劣化に対する抵抗力が天然ゴムやSBSよりも本質的に強く、長期間の屋外暴露でも劣化が遅い特性があります。
高硬度・耐塑性変形(耐踏み抜き性): SBSに比べて表面硬度が高く、プラスチック特有のコシ(剛性)があるため、高温時の歩行荷重や機器点検時の踏みつけによる凹み・変形が発生しにくい特徴を持ちます。
トーチ工法との抜群の親和性: 熱可塑性樹脂を多く含むため、バーナー(トーチ)の熱を受けると表面のアスファルトがサラサラとした低粘度液体状に素早く溶融し、下地コンクリートの微細な間隙へ浸透して強力なアンカー効果を発揮します。
ミネラル砂付き(露出仕様 / キャップシート): シート表面に焼成着色砂(スレート粉・セラミック顆粒)を全面圧着したタイプ。直射日光を反射・遮断し、保護モルタルなしの露出トーチ防水層(最上層)として使用。
PEフィルム仕上げ(下層・保護仕様): 両面に薄肉ポリエチレンフィルムをラミネートしたタイプ。複層防水の下層シートや、保護押えコンクリート打設下の非露出防水として使用。
アルミ箔ラミネート仕上げ: 最表面に耐候性アルミニウム箔を一体成形したタイプ。高い日射反射率(遮熱効果)を発揮し、屋根温度の上昇を抑制。
温暖地域・西日本(関西・九州・四国)の陸屋根露出防水: 冬季の最低気温が氷点下を大幅に下回らない一方、夏季に40℃近い猛暑と強い日射を受ける西日本のRC造・SRC造ビルの陸屋根露出トーチ工法。
産業プラント・ボイラー室・高熱機器周辺の屋根・床面: 機器からの排熱や直射日光で高温になりやすいプラットフォーム、コンクリート床の防水・防油ライニング。
海外輸出案件・中東および東南アジアプロジェクト: サウジアラビアやUAEなどの湾岸協力会議(GCC)諸国やASEAN諸国では、年間を通じて気温が極めて高く、冬期の凍結がないため、「防水仕様書=APP改質アスファルトシート指定」が国際標準となっています。